2013年3月19日
高齢者在宅介護における実態調査
はじめに | 第1章 調査の概要 | 第2章 在宅介護に関する実態調査 | 第3章 まとめ
アンケート回答者 アンケート実施結果 アンケート結果より抽出される課題
第2章 在宅介護に関する実態調査
2−5.アンケート実施結果
(1)在宅介護を受けている年齢層
60歳未満 | 2 |
---|---|
60歳~ | 13 |
70歳~ | 20 |
80歳~ | 42 |
90歳~ | 23 |
合計 | 100 |
要介護者の年齢層は「80歳代」が42%と最も高く、次いで「70歳代」が20%、「90歳代」が15%と続いている。
(2)要介護状態
要支援1 | 8 |
---|---|
要支援2 | 5 |
要介護1 | 13 |
要介護2 | 21 |
要介護3 | 25 |
要介護4 | 14 |
要介護5 | 12 |
その他 | 2 |
合計 | 100 |
要介護度は、「要介護3度」が25%と最も高く、次いで「要介護2度」21%、「要介護4度」14%と続いている。
(3)認知症診断の有無
認知症の診断を受けている | 61 |
---|---|
認知症の診断を受けていない | 36 |
不明 | 3 |
合計 | 100 |
「認知症の診断」を受けている人は61%となった。
(4)回答者からみた続柄
母 | 37 |
---|---|
父 | 15 |
祖母 | 9 |
利用者 | 9 |
舅(義理の父) | 8 |
姑(義理の母) | 8 |
配偶者 | 6 |
知人 | 3 |
祖父 | 1 |
兄弟姉妹 | 1 |
その他 | 3 |
合計 | 100 |
「母親」の37%が最も多く、次に多い「父親」の15%の2倍以上となった。「利用者」「知人」「その他」は、親族関係がない状況で介護にあたっていることをあらわしている。
(5)在宅介護を選んだ理由
同居の家族の希望 | 61 |
---|---|
本人の希望 | 48 |
別居の親族の希望 | 11 |
介護認定の結果 | 10 |
経済的理由 | 5 |
退去させられた | 5 |
病院や施設が満床 | 3 |
その他 | 1 |
合計 | 144 |
在宅介護を選んだ理由としては、「同居の家族の希望」「本人の希望」「別居の親族の希望」の順で回答が多い。
(6)在宅介護における介護体制
家族と介護支援サービス | 43 |
---|---|
家族2人以上で介護 | 24 |
家族1人で介護 | 20 |
介護支援サービスのみ | 13 |
合計 | 100 |
「家族」と「介護支援サービス」の併用が43%で、4割を超えている。
(7)介護支援サービスの利用状況
デイサービス | 58 |
---|---|
訪問介護 | 29 |
ショートステイ | 25 |
訪問看護 | 19 |
デイケア | 18 |
訪問リハビリテーション | 7 |
訪問入浴介護 | 6 |
グループホーム | 6 |
小規模多機能型居宅 | 3 |
居宅療養管理指導 | 2 |
介護保険外サービス | 1 |
その他 | 5 |
合計 | 179 |
複数回答合計が179件となっており、1名の要介護者に対して、複数の介護支援サービスを併用しているケースのあることがわかる。もっとも多く利用されている介護支援サービスは、「デイサービス」で58人が利用している。介護支援サービスのもっとも多い併用数は6か所併用となった。
(8)食事に関する主な課題
介護食の献立 | 39 |
---|---|
食べない時の対処法 | 35 |
食べこぼし汚れ対策 | 8 |
誤嚥 | 8 |
食べ過ぎる時の対処法 | 4 |
誤飲 | 4 |
特になし | 2 |
合計 | 100 |
介護食に関して知りたい情報として、「介護食の献立」と「食べない時の対処法」が多く、この2項目で、全体の74%を占めている。
(9)食事に関する具体的な課題事例
「介護食の献立」に関して知りたい情報は、主に下記項目があげられている。
- 消化がいい献立
- 食欲が進むミキサー食
- 食欲が進む盛り付け方
- 家族の料理からの工夫
- 栄養面が安心できる献立
- 男性介護者が作りやすい献立
「食べない時の対処法」に関して知りたい情報は、主に下記項目となる。
- 傾眠状態が続く際の食事のタイミング
- 飲酒中心でご飯を食べようとしない
- 食べる意思を持てないことによる脱水症状対策
- 食べることを忘れてしまう
(10)入浴に関する主な課題
風呂場・脱衣所の構造 | 36 |
---|---|
入浴拒否 | 18 |
腰痛等の身体的負担 | 15 |
温度調節 | 15 |
特になし | 6 |
心理的負担 | 6 |
入浴回数 | 4 |
合計 | 100 |
入浴に関して課題と感じている項目では、「風呂場・脱衣所の構造」をあげる声が最も高い。また、課題と感じていることが「特になし」としている大半は、「入浴を家で行わず、介護施設にお願いしている」との回答であった。
「入浴拒否」の回答のなかには、拒否された際の、介護する側の心の保ち方を模索する声があがっている。
(11)入浴に関する具体的な課題事例
「風呂場・脱衣所の構造」において希望する改善策の具体例は、主に下記項目となる。
- 介護スペースの増設
- 滑り止め対策
- 床面と浴槽の高低差緩和
- 手すりの設置
- 浴室出入り口の段差の軽減
「入浴拒否」を受けた際に、介護する側が、要介護者から言われた言葉として、対応に苦慮する具体例は下記内容となる。
- 入浴自体が疲れるから入りたくない
- 入浴は夜と決めているので、デイで日中に入浴したくない
- 脱衣場と浴槽の温度差があるから入りたくない
- 汚くても気にならない
「腰痛等の身体的負担」に関する情報として知りたい主な具体例は下記となる。
- 身体を痛めない移乗法
- 自分より体格の大きい方への対応法
- 浴槽出入り時の介護者の身体的負担緩和
(12)排泄に関する主な課題
臭い | 16 |
---|---|
トイレまでの移動 | 15 |
トイレのタイミング | 15 |
失禁 | 14 |
オムツ交換 | 14 |
夜間の頻尿 | 14 |
紙オムツ等の費用 | 5 |
放尿 | 3 |
その他 | 4 |
合計 | 100 |
「臭い」が16人と一番多くはなっているが、総じて回答が分散された形となった。臭いに関しては、洗濯をおこなうまでに、排泄物で汚れた衣服や寝具を置いている間の臭いや、冬場の換気が悪い際の消臭対策を課題とする声が多くあがっていた。
(13)排泄に関する具体的な課題事例
「臭い」に関して課題と感じている主な具体例は下記となる。
- 冬季は洗濯物がたまりやすく、布団も干せず、乾かないため、特に臭いがこもる。
- 紙オムツを自分で処理してしまうため、綺麗にふきとれず、臭いがする。
- 消臭剤がきかない。
- 要介護者自身からの臭いが消えない。
「トイレまでの移動」に関して課題と感じている主な具体例は下記となる。
- 移動経路にあるドアの開閉がスライド式でなく、移動が不便。
- 車イスでの移動が出来ない。
- 部屋からトイレまでに温度差がある。
- 介護する側が腰痛のため、移動に時間がかかる。
「失禁」に関して課題と感じている主な具体例は下記となる。
- 羞恥心を傷つけないことが可能な対処法がわからない。
- 布団が濡れて乾かない。
- 失禁を隠してしまう。
- 夜尿が多量で漏れてしまう。
「夜間の頻尿」に関して課題と感じている主な具体例は下記となる。
- 家族の寝不足。
- 夜中に大声で叫んで呼ぶため、近隣の目が気になる。
- 夜中の頻尿は寝ぼけながらなので、失禁につながる。
「オムツ交換」に関して課題と感じている主な具体例は下記となる。
- 体位交換時の双方の身体的負担。
- オムツ交換中の排便・失禁による双方の心理的負担。
- オムツ交換を抵抗される際の対処法がわからない。
(14)徘徊経験の有無及び発見者の属性
徘徊経験はない | 71 |
---|---|
家族 | 12 |
警察 | 11 |
近所の人 | 9 |
施設職員 | 4 |
通行人 | 3 |
店舗から連絡 | 2 |
その他 | 1 |
合計 | 113 |
(15)徘徊防止のための工夫
徘徊経験がないと答える回答が71%と高かった。
徘徊があった際の発見者としては、家族が12%と一番高く、次いで、警察が11%、近所の人が9%という結果となっている。
徘徊に至らないための徘徊防止策として実行されている上位5項目は下記となる。
- 人による見守り
- 玄関の二重施錠
- ご近所との連携
- GPS機能の活用
- 名札
(16)住まいに対する要望
段差のない設計 | 68 |
---|---|
介助スペース確保 | 66 |
送迎用駐車場確保 | 32 |
訪問介護の出入口 | 31 |
警備会社との連携 | 13 |
その他 | 2 |
合計 | 212 |
複数回答可能としている中で、最も高い要望が「段差のない設計」で68%となった。
次いで「介助スペース確保」が66%と、同じく高い結果になっている。
訪問介護の際の出入口を確保したいとする声の中には、家庭内のプライバシーを守りたいという声が多く出ていた。
(17)医療業界に対する要望
医療機関への要望を自由回答形式のアンケートとした。
下記は回答の多かった上位10項目である。
- 緊急時の柔軟な24時間対応
- 訪問診療の増加
- 24時間医療電話相談の実施
- 医療と介護施設の連携
- 医療機関同士の連携
- 通院時の介助サービス
- 訪問診療費の軽減
- 訪問看護の増加
- 訪問歯科の増加
- 介護する側の精神的ケア体制
(18)在宅介護における機械化に対する懸念と期待
食事介助 | 46 |
---|---|
オムツ交換 | 17 |
入浴介助 | 15 |
特にこだわりはない | 12 |
選べない | 8 |
歩行介助 | 1 |
介護食作り | 1 |
合計 | 100 |
機械化したくないこととして、「食事介助」が上位にきている。食事におけるコミュニケーションの大切さをあげる声とともに、誤飲、誤嚥が機械に見分けられるかを心配する声が高かった。
(19)在宅介護における機械化に対する心情「食事介助」を機械化したくないとする理由は、主に下記項目となる。
- 食事は会話しながらするものだから。
- 体力を使うことでなければ機械化する必要を感じない。
- 嚥下の完了などは人の目でないと無理。
- ロボットでは急変に気づけない。
「オムツ交換」を機械化したくないとする理由は、主に下記項目となる。
- 機械では皮膚状態の把握ができない。
- 尊厳を守りたい。
- 人の手のぬくもりが必要な作業だから。
「入浴介助」を機械化したくないとする理由は、主に下記となる。
- 機械は感触が冷たいから、人の手で行いたい。
- 身体の変化は、人の手のひらでないとわからないから。
「選べない」とする理由は、主に下記となる。
- 人の身体には機械を使えない。
「特にこだわりはない」とする理由は、主に下記となる。
- 介護する側の負担が軽減することが、優しくなれることにつながる。
- 機械化のほうがお互いに気兼ねがない。
- 介護する側の身体が限界になっている。
(20)在宅介護におけるIT機器の普及
パソコン | 97 |
---|---|
携帯電話 | 65 |
スマートフォン | 35 |
タブレット | 16 |
どれも使っていない | 1 |
その他 | 1 |
合計 | 215 |
「パソコン」が97%となり、2位の「携帯電話」の65%を大きく上回った。
「スマートフォン」の普及率は全体の35%となり、「携帯電話」の約半数となっている。
(21)在宅介護におけるパソコン利用用途
インターネット | 95 |
---|---|
メール | 92 |
個人でのソフト利用 | 73 |
業務でのソフト利用 | 25 |
その他 | 2 |
合計 | 287 |
パソコンを利用している回答者に、利用用途を質問したところ、「インターネット」と「メール」が90%以上の利用率となっており、利用用途の大半をしめている。
(22)在宅介護における携帯端末利用用途
通話 | 88 |
---|---|
メール | 87 |
インターネット | 48 |
各種アプリ | 32 |
どれも使っていない | 1 |
その他 | 1 |
合計 | 257 |
携帯端末の利用用途の上位は、「通話」が88%、「メール」が87%となっている。
(23)介護する側が必要としていること
相談相手 | 41 |
---|---|
話し相手 | 19 |
一人の時間 | 14 |
熟睡できる時間 | 14 |
感謝・いたわりの言葉 | 12 |
合計 | 100 |
介護している側が必要と感じていることは、「相談相手」が41%と高く、次いで「話し相手」となっている。「感謝・いたわりの言葉」を合わせると、全体の72%が他者からの働きかけを必要としている。
(24)現場から見た今後望まれるサービス
在宅介護の現場から見た今後望まれるサービスに関して、どのようなサービスを望むかという問いに対する自由回答から意見の多かった上位10項目をまとめた。
上から順に回答が高い項目となる。
「24時間365日対応の臨機応変介護サービス」は、57人が同じ回答となった。
- 24時間365日対応の臨機応変介護サービス
- 家族リフレッシュサービス
- 介護付き旅行
- 介護コンシェルジュ
- 老老介護の日常サポート隊
- 病理対応ショートスティ
- 趣味の分野を提供してくれるサービス
- ドクター常駐ショートスティ
- 訪問理容サービス
- 入浴のみ可能なデイサービス
(25)在宅介護について思うこと
自由回答にて、在宅介護に思う今の気持ちを思うままに書いてもらった。
不安に思っていること、要望していることとして、多かった声の上位10項目をまとめた。
- 介護する側の精神的ケアがほしい。
- 24時間365日対応してくれるサービスがないと急変時が不安。
- 介護する側が倒れた時を思うと不安。
- 相談できる場所がほしい。
- いつまで続くのか、先が見えないことが不安。
- 介護業界と医療機関の連携を密にしてほしい。
- ケアマネージャーの質に格差がある。
- 社会からの疎外感を感じて辛い。
- 傷つけていないだろうかと常に罪悪感をもっている。
- 介護職の待遇をアップしてほしい。
2−6.アンケート結果より抽出される課題
本項では、アンケートで得られた結果をもとに、在宅介護での課題について考察する。
(1)要介護者の年代、状態について
介護を受けている年代では、70歳代から90歳代が全体の8割以上を占めており、介護状態も「日常生活動作について部分的な介護が必要となる状態(立ち上がりや歩行が自力では困難。排泄や入浴にも一部または全介助が必要。)」である「要介護2」及び「日常生活動作および手段的生活動作の両方の観点からも著しく低下し、ほぼ全面的な介護が必要となる状態(立ち上がりや歩行が自力ではできない。排泄・入浴・衣服の着脱などにも全面的な介助が必要。)」である「要介護3」が5割近くを占めている。半面、介護にあたっている年代層が40歳代、50歳代が合計6割を占めており、介護を受ける側の高齢化に伴い、介護する側の高齢化及び介護期間が長期化していることがうかがえ、「老老介護」の形態が今後も増加しつつあると考えられる。また、6割が認知症の診断を受けており、後述する食事における「食べる意思を持てない」「食べることを忘れてしまう」ことや徘徊における課題の要因にもなっていると思われる。
(2)食事について
食事に関する主な課題としては、「介護食の献立」及び「食べない時の対処法」という課題が全体の7割以上を占めており、この2点が際立って高い。この「食べない時の対処法」の課題については、「介護食の献立」において「消化がいい献立」「食欲が進むミキサー食」「食欲が進む盛り付け方」等を追求することが解決する方法のひとつの側面であるが、「食べる意思を持てないことによる脱水症状」や「食べることを忘れてしまう」という個別課題については、認知症とも絡み、医療分野・介護分野における専門知識を有したサポート体制が必要となる。また、男性による介護も3割を占めていることから、今後「介護食の献立」の知見を広く普及することが在宅介護従事者の支援にも繋がると考えられる。
(3)入浴・排泄介助について
入浴については、抽出された課題が「風呂場、脱衣所の構造」が3割以上を占め、在宅介護の現場である住まい、住居の構造上の問題に大きく影響されていることがうかがえる。
「脱衣場と風呂場の温度差」や「浴室出入り口の段差がある」等の住居構造上の問題が「入浴すること自体に疲労感をおぼえる」ことを引き起こし、介護を受ける側の心理状態が消極的になり、入浴を拒否するという結果に繋がっているものと思われる。また、課題と感じていることが「特になし」としている場合の理由として「入浴を介護施設にお願いしている」との回答があり、専門施設・サービスを利用することが、介護を受ける側、する側での負担軽減となっていることもうかがわれる。
排泄については、臭い、トイレまでの移動やタイミング、失禁、おむつ交換といったことが課題として均一に意識されている。日常生活を送るうえで避けることができない課題であり、解決には食事における課題と同じく医療分野・介護分野における専門知識を有したサポート体制が必要となる。
(4)徘徊について
今回の調査では、徘徊経験がないという回答が7割を占めたが、徘徊があった際には、事前予防策として、人による見守りはもちろん、玄関の二重施錠や名札、GPS機能の活用が挙げられている。また、事後対応策として、日常から近所との連携や警察機関への依頼が挙げられている。このことから多額の費用や大がかりな事前予防策ができない場合でも、日常の工夫といざという場合の連携先を確保しておくことが重要であると考えられる。
(5)住まいについて
「段差のない設計」「介助スペース確保」の回答割合が多く、在宅介護をするうえで大きな課題となっている。また、家庭内のプライバシーを守りたいという理由で「訪問介護の出入口」を確保したいという声もあり、住宅構造上の物理的問題が介護を受ける側とする側の心理的問題に一部発展している。
(6)医療分野への期待について
医療分野への期待度は高く、その内容は「24時間での緊急時の柔軟な対応や医療電話相談」等、多岐にわたっている。なかでも「通院時の介助サービス」など、在宅介護従事者は、医療と介護の連携や一体化を望んでいることがうかがえる。
また、在宅介護では、介護をする側が孤立しがちであり、介護を受ける側が家族(母親、父親)の場合が多く、そのために「家族を傷つけていないだろうかと常に罪悪感を持っている」といった心理的負担もあり、「介護する側の精神的ケア体制」も望んでいる。
(7)機械化、ITについて
機械化したくないこととして、「食事介助」が半数近くを占め、「オムツ交換」「入浴介助」と合わせると8割近くを占める。この3項目は前述したとおり、それぞれ介護を受ける側とする側にとって負担が大きい分野であるが、「人の手を介することがぬくもりを伝え、尊厳を守り、人間同士のコミュニケーションを実現する」という理由から機械化への懸念がみられるようである。また、機械化への限界も理由のひとつであった。
「機械化に特にこだわりがない」との回答理由では、「機械化のほうがお互いに気兼ねがない。」「介護する側の身体的、心理的負担」が挙げられた。
これらのことから、機械化については、現時点ではその期待感はまだ全体割合が低いものの介助項目や介護体制によっては、様々なかたちで実現することが介護する側の負担軽減も含めた在宅介護の課題を解決する方法のひとつになる可能性がある。
(8)在宅介護全般について
本調査では、自由回答可能を前提に今後望まれるサービスや在宅介護について思うことを回答してもらった。様々な回答があるなか、今後望まれるサービスについては、「24時間365日対応の臨機応変な介護サービス」が圧倒的に多い結果となった。
在宅介護について思うことでは、不安項目として「急変時が不安」「介護する側が倒れた時を思うと不安」「いつまで続くのか、先が見えないことが不安」であり、要望項目としては、「介護する側の精神的ケアがほしい」「相談できる場所がほしい」「介護と医療機関の連携を密にしてほしい」といったものであった。
望まれるサービスや要望は、介護する側の日常的に感じている不安の裏返しであり、そのことが「24時間365日対応の臨機応変な介護サービス」といった要望に繋がっている。
アンケート回答者 アンケート実施結果 アンケート結果より抽出される課題
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