「この企画、会議で突然提案してもゼッタイ通らないよ! 事前に部長に根回ししておかないと」「いや~、面倒くさいな。毎回、毎回」「でも、根回しも大切な仕事だよ。根回ししておくのとしないとじゃ、結果は大違い!」。職場で、こんな会話を耳にしませんか。実は、この“根回し”こそが、今回のテーマである“イシューイング”の役回りそのものなのです。
イシューイングとは、意中の相手にその価値を気づかせるための“根回し”のこと。イシュー(ISSUE)を直訳すると「課題」「話題」となりますから、つまり、イシューイング(ISSUE+ing)は、根回しのための「課題」づくり、「話題」づくりを意味します。
ヘルスケアビジネスでは、このイシューイングがとても大事な作業になります。
健康について、私たちは価値あるものとちゃんと認識しています。でも、一つひとつの健康行動に対して、何のために? 誰のために? といった健康行動の目的化は、結構、難しいのが現状です。 巷にあふれる健康課題は、ほとんどは他人ゴトです。それをそのまま自分ゴトとして解釈できる人はまずいません。そこで、他人ゴトと自分ゴトの間に、「世の中ゴト」をつくるためのアプローチが求められます。