今回は実際に新規事業プランを作る際に持っておくべき着眼点について考えたいと思います。
新規事業プランを考える際に最初にするべきことは、会社として取り組む新規事業の大まかな領域を経営陣が明示することです。例えば、「B2Bビジネスであること」や「飲食業は行わないこと」等、「○○であること」あるいは、「○○はやらない」という大枠を事前に提示することです。フェアゾーンとファウルゾーンをあらかじめ決めておくと考えてもらえるとイメージしやすいかもしれません。
新規事業開発でうまく行かないパターンの一つに以下のようなものがあります。
「今までの考えに囚われることなく自由な発想で考えてほしい」という方針で新規事業プランを募集するものの、実際にプランが出てくると
「何故それを当社が取り組む必要があるのか?」や「その事業は当社らしいのか?」等の反対意見が多数出て、否決されてしまうというパターンです。
自社が取り組むべき正当な理由や自社らしいかというのは新規事業開発を行う際には当然考えて良い項目です。しかし、事前にそれを明示することなく後から持ち出されて、プランが否定されるということが繰り返し行われると、「どうせプランを出しても何か理由を付けられて否決されるだけだし、、、。」というネガティブな雰囲気が社内に蔓延してしまい、新しいプランを出そうというモチベーションが下がってしまいます。結果として将来性のあるプランが出にくい状況になってしまいます。
このような事態を避けるため、どこがフェアで、どこがファールかを大枠でいいので事前に提示することが新規事業プランを作るうえでは重要です。
大枠を提示した後は実際に新規事業プランの評価を行います。ただ、意外なことにプランの評価をするための軸を決めずに、感覚で新規事業プランを選定している企業が数多くあります。この方法でも「経営者のカン」で運良くうまくいくケースがないとは言いませんが、高い確率で成功させようと思うのであれば合理的で納得性の高い軸を設定して新規事業プランを選定することが求められます。
その評価の軸として非常に有効なものが「市場の魅力度」と「自社との適合度」の二つです。